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Gaell – L'Anamour

Gaell – L'Anamour

RKM - 761.661 (1983)

Format: Vinyl and 7"

Media: EX-

Sleeve: VG+

Regular price ¥2,980(税込)
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フレンチ・シンセポップの良盤3枚をシングルのみで残す。”Gaëll”さんによる脱力感、抜群の83年のラスト作品がコレ。(店主)

倦怠という名の兇器(きょうき)――或いは、一九八三年の白鳥の歌

僅か三枚のシングルという、あまりにも潔き遺産。それは多作を誇る俗人どもの作品群よりも遥かに重く、そして鋭利だ。フランスという、熟れすぎた果実の如き土壌が生んだこの「Gaëll」なる存在は、一九八三年のこの最後の作品において、ひとつの到達点――すなわち「完全なる無気力」という逆説的な頂(いただき)に達している。

ここで聴かれるのは、所謂「脱力感」などという生温いものではない。それは、筋肉の緊張を拒絶し、意志の直立を放棄した者だけが纏(まと)い得る、甘美なる頽廃(たいはい)の極致である。

シンセサイザーが刻む無機質で冷徹なビートに対し、彼女の声はどうだ。まるで硝子の破片の上を裸足で歩くような危うさと、明日をも知れぬ気怠(けだる)さが支配している。力を込めることの野蛮さを嘲笑うかのように、彼女は力なく、しかし執拗に、聴く者の精神を弛緩(しかん)させていく。

これは「歌」ではない。文明の黄昏(たそがれ)に吐き出された、美しき溜息(ためいき)の結晶だ。

一九八三年。時代の喧騒をよそに、彼女はこの盤を遺して沈黙した。その抜群の去り際こそが、この作品を永遠の神話にまで高めている。未完であるがゆえに完全であり、脱力であるがゆえに最強であるという、美のパラドックスがここにある。(三島由紀夫)

Genre:

Synth Pop

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