すべては、廃墟の美。そして、音は、哀しいかな、あまりにも無垢な狂気。

ハネムーン・キラーズ――『月蜜殺戮者たち』とでも訳しましょうか――彼らが奏でる調べは、夜の帳（とばり）の奥で、秘かに燃える蝋燭の炎に似ています。

• 彼らの音楽は、美しいものが、なぜこんなにも穢れてしまうのか、という古（いにし）えの問いを、耳の奥で繰り返す。

• リードヴォーカルのドゥニ・ルロワの、あの痙攣的な叫び。それは、温泉宿の襖の向こうで、誰にも知られずすすり泣く、薄幸の芸者の嘆き声のようではありませんか。

• ギターの金属質な軋み、ドラムの無慈悲な打擲（ちょうちゃく）は、雪国の闇夜を走る列車の、車輪とレールの摩擦音。あるいは、指先に触れる冷たい肌の、戦慄にも似た感触。

これは、生の虚無と、愛の果ての荒廃を、ただ、ただ、音の形に変えたもの。（川端康成）

結果良くわからないかも、、ベルジャンNWの名盤。是非、ご試聴お買い上げください。