「ゴッドファーザー・オブ・キーボード」事”Jackie Mittoo”のレゲエ・インストゥルメンタルの金字塔の名盤名高い1枚でございますね。（店主）

『鍵盤の王』――あるいは南洋の熱き憂愁 ここには、南国の過剰な太陽に灼かれた、「王」の孤独と官能がある。 

ジャッキー・ミットゥ。この男の指先が紡ぎ出すのは、単なる遊戯（レゲエ）ではない。それは、重厚なるリズムという強靭な筋肉の上に咲いた、ハモンド・オルガンという名の黄金の薔薇だ。

歌詞という夾雑物を排したその旋律は、言葉を持たぬがゆえに逆説的に饒舌であり、聴く者の魂を気怠い陶酔と、死のごとき静謐な熱狂へと誘う。泥臭いファンクネスと聖なる響きが同居するこの音盤は、まさに至高の美的肉体言語である。 

「聴くべし。さすれば、熱帯の血が血管を駆け巡るのを感じるであろう。」（三島由紀夫）